秋を元気に過ごす養生法
朝晩、少しずつ涼しくなり、秋の訪れを感じるようになってきましたね。
1年の中でも過ごしやすく、食べ物もおいしい秋。
「スポーツの秋」「文化の秋」と言いたいところですが、
一方でこの季節は、夏の疲れが残っていたり、気温の変化も大きいため、体調を崩しやすい時期です。
秋は空気が乾燥しやすい時期なので、東洋医学では「燥」の季節にあたり、「燥邪」の影響を受けやすくなります
中医学では、秋は肺とつながりの強い季節とされています。寂しさや悲しさを感じる時期でもあるので、肺の養生をしながら心のケアもしていきましょう。
秋は肺の季節。悲・憂との関係
秋は臓腑の「肺」、情緒の「悲・憂」と密接な関係にあるとされています。肺は、気・呼吸・昇発粛降を主る臓腑で潤う環境を好むので、乾燥しやすい秋の季節は肺の呼吸機能を傷つけやすいです。
落ち込むと肺の機能が消耗しやすい?
また、「悲則気消」といわれるように、気持ちが悲しく落ち込むと、肺気を消耗して肺機能が弱くなります。とくに大人数でのイベントや旅行など娯楽の制限などにより、コロナ鬱、悲観的に落ち込みやすい人も増えました。
このような状況下では、息切れ・呼吸が苦しい・空咳のほかに、胸が苦しい・倦怠無力・やる気が出ない・悲しくて涙がとまらないなどの症状が出ることも少なくありません。
肺は「潤いを好み、乾燥を嫌う」という性質があるため燥邪の影響を一番受けやすい臓器は「肺」
肺は、鼻やのど、気管支などとつながっているため、特に「肺」を中心とする呼吸器系の不調に注意が必要です。肺が燥邪の影響を受けると、のどや鼻の乾燥、乾いた咳、粘りのある痰、口の渇きといった呼吸器のトラブルのほか、皮膚の乾燥やかゆみを感じたり、体内の潤い不足から便秘しやすくなったりすることも。。。
秋を元気に過ごすための日常生活で使える養生法
◆「医食同源」…身体の中からも潤いを
燥邪の対策としては、「白」い色の食べ物を摂るように心がけましょう!
「白」の食材は肺を潤い、大腸を補い、呼吸器系や皮膚を潤し、便秘などの予防にも効果的です。
秋の外邪「繰邪」から身体を守る食物
例)鶏肉、銀杏、白ごま、帆立、イカ、しめじ、大根、里芋、ゆり根・蓮根・きくらげ・梨など
「医食同源」を取り入れ、毎日の食事で、身体の中からも潤いを補給しましょう。
◆「加湿で対策」…湿度を40~60%に
加湿器を使用したり濡れたタオルを干して、湿気を取り入れるのがよいでしょう。
部屋の湿度は40~60%に保つのが理想です。
秋のうちに体調を整えておくことが、冬の寒さに備えることにもなります。
とくに呼吸器系の問題や腸の不調は今のうちにしっかり身体を整え、「燥邪」に侵されない身体を作っていきましょう!